
感想
この日、筆者は幸運にもDブロックで参戦することができた。開演前には誠果によるDJタイムで会場が徐々に温まり、心地よい緊張感とともにライブへの期待感が高まっていった。
とりわけ印象的だったのは、「counting song-H」がセットリストに含まれていたこと。この曲はライブでの披露が非常に稀で、まさか東京ドームという特別な場で聴けるとは夢にも思わなかった。イントロが流れた瞬間、観客の多くが驚きと歓喜の声を上げ、そこから自然発生的に静寂が生まれ、会場全体がその曲に集中した空気は唯一無二だった。
また、「言わなくても伝わる あれは少し嘘だ」は2016年のアリーナツアー以来の披露ということもあり、ファンの間でも特別な感情を呼び起こした。感情の繊細な揺れや切なさがにじむ歌詞に、多くのCrewが静かに耳を傾けていた姿が印象的だった。
さらに、東京ドームといえば忘れてはならないのが「No.1」。2010年のUVERworld初の東京ドーム公演で1曲目に演奏された楽曲であり、今回は中盤での披露ながら、あの時の空気感がふわっと蘇ってきたように感じた。TAKUYA∞の歌声が響き渡った瞬間、10年以上の歳月とともに重ねられたUVERworldの歩みが思い返され、思わず胸が熱くなった。
筆者自身、こうしたレア曲や歴史ある楽曲たちに加え、圧倒的な音圧と照明演出、演出全体の流れにただただ圧倒された。どの曲も「東京ドームだからこそ」という意味を帯びており、単なる再現ではなく、この日のために用意された構成だということがひしひしと伝わってきた。
セトリや演出だけでなく、TAKUYA∞の言葉の一つひとつが、Crew一人ひとりの心に真っ直ぐ刺さっていた。これまでのUVERworldと、これからのUVERworldを繋ぐような、そんなライブ体験だったと確信している。
ステージ上に立つ6人の姿からは、単なるプロフェッショナルとしての姿勢ではなく、音楽に対する真摯な思いと、目の前にいる一人ひとりのCrewへの感謝があふれていた。UVERworldが築き上げてきたもの、それは楽曲の強さやライブの完成度だけでなく、人と人との信頼と共鳴の積み重ねだということをあらためて感じさせられた。
特にこのDAY2では、会場全体の空気感がどこか柔らかく、温かかった。歓声や手拍子の一つひとつが、音楽への愛に満ちていた。1曲1曲が、まるで人生のワンシーンのように映り、UVERworldの歴史とともに歩んできたファンにとっては、かけがえのない時間となったに違いない。
セットリスト(2025.06.15 DAY2)
- DJ誠果(ナノ・セカンド、Born Slipy、AFTER LIFE)
- WICKED boy ~SE~
- PHOENIX AX
- Don’t Think.Feel
- WE ARE GO
- NO MAP ~Sax mix~
- Eye’s Sentry
- THEORY
- 7th Trigger
- counting song-H
- 一滴の影響
- CHANCE!
- NO.1
- 君の好きなうた
- 言わなくても伝わる あれは少し嘘だ
- UNKNOWN ORCHESTRA
- I LOVE THE WORLD
- ビタースウィート
- High!Light!
- MMH
- Touch off
- Bye-Bye to you
- IMPACT
- EPIPHANY
- EN
- MEMORIES of the End
- AFTER LIFE
- LONE WOLF(エンドロール)
各楽曲レビュー
- WICKED boy ~SE~:東京ドーム公演用の特別映像と共に流れたSE。秒刻みのカウントダウンでCrewの緊張感と期待感が一気に高まり、会場のボルテージが爆発した。
- PHOENIX AX:鋭く切り込むようなサウンドで、冒頭から観客の心をつかんだ。爆発力とスピード感に満ちた、まさに序盤を飾るにふさわしい楽曲。
- Don’t Think.Feel:UVERworldの必殺キラーチューン。”Don’t Think.Feel”の大合唱に魂が震えた。
- WE ARE GO:誰もが”WE ARE”と叫ばずにはいられなかった。東京ドームをライブハウスに変えてしまうような爆発的な一体感。
- NO MAP ~Sax mix~:誠果のSAXが楽曲をよりドラマチックに彩った。TAKUYA∞のハーモニカも際立ち、バンドの厚みを感じるアレンジが心に残った。
- Eye’s Sentry:鋭さと優しさを併せ持つサウンドが、ドームの空間に響き渡った。
- THEORY:Crewとの絆を感じる楽曲。東京ドームという特別な空間での披露に胸が熱くなった。
- 7th Trigger:テンションぶち上げ。会場を巻き込む力が凄まじく、誰もが拳を振り上げていた。
- counting song-H:レア曲としての価値が存分に活かされた一幕。この曲を聞けてよかった。
- 一滴の影響:ネガティブな感情が押し寄せた時に、この曲で心が前を向いた。自分を大切にしようと思えた。
- CHANCE!:メンバーが音楽を始めた頃の楽器で演奏するという演出に、観客も思わず胸が熱くなった。原点に立ち返るような温かさと情熱に包まれた時間。
- NO.1:2010年の東京ドーム初公演を思い出させる原点のような楽曲。再びこの場所で聴けたことに深い意味があった。
- 君の好きなうた:UVERworldの代表格ともいえるバラード。東京ドームでこの曲を聴けたことで、大満足のひとときを過ごすことができた。
- 言わなくても伝わる あれは少し嘘だ:久々の披露。感情が繊細に揺さぶられる名曲。
- UNKNOWN ORCHESTRA:ダンスチューンとしての爆発力があり、飛び跳ね続ける楽しさに満ちていた。
- I LOVE THE WORLD:今日やらないかもと思っていた分、サプライズ感が嬉しかった。飛び跳ねて一体となれた楽曲。
- ビタースウィート:全員での”Hey!”が楽しく、日産スタジアムに続いて東京ドームでも一体感が生まれた。
- High!Light!:SEながらも観客との掛け合いが熱を帯びた。サビ前の盛り上がりでは一体感が生まれ、場内の熱気をさらに加速させた。
- MMH:鋭く重たいリフが鳴り響く、攻めの姿勢を体現した楽曲。フロアの熱気が倍増し、拳を突き上げるCrewの姿が印象的だった。
- Touch off:ドーム中が「FIRE!」の声で包まれた瞬間は、鳥肌モノだった。
- Bye-Bye to you:エモーショナルなメロディが、終盤の余韻をしっとりと彩った。
- IMPACT:個人的に昨日のIMPACTを確実に超えていた。そう思えるほど今日の一体感も凄まじかった。
- EPIPHANY:ライブタイトルを冠するにふさわしい、深く染み渡るサウンドと構成。
- EN:優しい音色と歌声に、会場全体が包み込まれた。目頭を押さえるCrewも多かった。
- MEMORIES of the End:静けさに包まれながら、観客全体が音に集中し、心に響いた。
- AFTER LIFE:Crewがスマホライトを掲げて照らす演出が美しかった。最後の一曲にふさわしい情景。
- LONE WOLF(エンドロール):すべてを出し切ったあとの静かな余韻として流れた一曲。映像とともに今日の物語が締めくくられ、感動のラストシーンとなった。
UVERworld LIVE “EPIPHANY” at TOKYO DOME(2025.06.15 DAY2)まとめ

DAY2の東京ドーム公演は、“人生と音楽が交差する場”としてのUVERworldの真髄を体感する特別な夜だった。DAY1とは明確に差別化された構成と空気感が印象的で、この日ならではの物語がそこには確かに存在した。
セットリストの中で特に目を引いたのは、懐かしい楽曲と近年の代表曲のバランス。中でも「No.1」は、2010年の東京ドーム初公演とリンクし、長年のファンには感慨深い瞬間だっただろう。さらに「counting song-H」や「言わなくても伝わる あれは少し嘘だ」など、レア曲の選出には驚きと共に歓喜の声が多く上がっていた。
「CHANCE!」のパートでは、メンバー全員が音楽を始めた頃の楽器で演奏するというサプライズ演出があり、音楽への原点回帰と初心の想いがストレートに伝わってきた。東京ドームという巨大空間で、あのアットホームな温かさを感じられたのは本当に貴重だった。
TAKUYA∞が何度も語った「Crewへの想い」は、曲間の言葉だけでなく、パフォーマンスそのものに滲み出ていた。観客の声援に対して、真正面から感謝を返すようなその姿勢に、UVERworldの信頼関係の強さを感じた。
演出面でも細部まで作り込まれており、楽曲ごとに照明や映像、演者の立ち位置まで計算された動きが印象的だった。「UNKNOWN ORCHESTRA」でのトロッコ移動や、「AFTER LIFE」でのスマホライト演出など、視覚と感情が融合した瞬間が何度も訪れた。
そしてライブ全体を通して感じたのは、UVERworldの進化し続ける姿勢だ。15年以上のキャリアを持ちながらも、常に挑戦し続け、なおかつ“変わらない想い”を抱き続けるそのスタンスは、ファンの心に深く刻まれる。
さらに印象的だったのは、DAY2の空気感に宿っていた「優しさ」だった。攻撃的な熱量や爆発的な盛り上がりももちろんあったが、それ以上に、ステージから放たれる音と言葉、照明や映像の演出すべてが、どこか“包み込むような温かさ”を持っていたのだ。それはまるで、過去の苦しみも喜びも全部抱きしめて前に進むという、UVERworldなりの優しさだったのかもしれない。
特に「AFTER LIFE」で観客がスマホライトを掲げて演出に参加するシーンでは、その一体感に涙を浮かべている人の姿も見受けられた。音楽を通して心が交差し、まるで“同じ夢を見ている”ような錯覚を覚えるような、そんな時間だった。
また、MCの合間に見せたメンバー同士のやり取りや、思わず笑ってしまうような素の表情が、会場の空気を柔らかくしていたことも印象的だった。楽曲の強さと人間味、その両方がUVERworldというバンドの魅力なのだと改めて実感できる瞬間だった。
ライブ後半に向かって一曲一曲の熱量が増していく様子も、観客の気持ちとシンクロしているようだった。「EPIPHANY」や「EN」、そして「AFTER LIFE」まで、全体を通して描かれたテーマや物語性が見事に構成されており、まるで一本の映画を観たかのような満足感があった。
これまでのどのライブとも違う空気、演出、選曲、そして何よりそこにいた観客の反応──そのすべてがDAY2を特別な一夜にしていた。ライブが終わった後も、その余韻はしばらく続き、帰り道の夜風の中で何度も胸に手を当てたくなるような感情が込み上げてきた。
この夜、東京ドームに集まった何万人という観客とともに、筆者自身もまた“生きる力”をもらったような気がする。音楽は、ただの娯楽ではない。UVERworldはそれを、言葉ではなくライブで証明し続けてくれている。
DAY2のステージを終えた彼らは、また新しい一歩を踏み出すだろう。そして、私たちCrewもまた、日々の中でこの夜の記憶を心に灯しながら、自分自身の人生を歩いていく。
UVERworldという存在が、音楽以上の価値を持っていることを改めて感じた夜。次に会えるその日まで、今日という奇跡のような時間を胸に、進み続けていきたい。
