
◇ Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」|その“先”を確かめる夜

2025年12月14日。
東京国際フォーラム ホールAで開催された Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」 に参戦してきました。
Ave Mujicaのワンマンライブとしても節目となる6th。そのタイトルに掲げられた 「Ulterius Procedere」 は、ラテン語で「さらに先へ進む」「向こう側へ進む」といった意味を持つ言葉だ。
これまでのライブでも、彼女たちは常に物語性や世界観を強く意識した構成を提示してきたが、今回はその**“先”を明確に示す言葉がタイトルとして据えられている**。
単なる続編ではなく、次の段階へ進む意思表示──そう受け取るのが自然だった。
筆者がAve Mujicaのライブに足を運ぶのは、7月26日・27日に行われた 5th LIVE「Nova Historia」 以来、約5ヶ月ぶりとなる。
5thではDAY1・DAY2ともにノンストップ構成が採られ、曲と曲の間にほとんど余白を設けず、音と演出を重ね続けることで、ひとつの物語を描き切るライブが展開された。
特定の楽曲だけが突出するのではなく、流れそのものが意味を持ち、終演後に振り返ったときに初めて全体像が立ち上がる──そんな体験だった。
だからこそ、Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」 が、あの完成された構造をどのように更新してくるのかには、自然と期待が集まる。
物語を描き切った先で、彼女たちは何を提示しようとしているのか。
その問いを考えるうえで、今回のライブはひとつの転換点として位置づけられる。
その文脈を補強するように、ライブ直前には新たな楽曲が続けてリリースされた。
2025年9月4日(木)にデジタルリリースされた 「碧い瞳の中に」。
そして、2025年12月10日(水)に発売された Ave Mujica 3rd Single「‘S/’ The Way / Sophie」。
いずれも、これまでのAve Mujicaが築いてきた世界観を踏まえつつ、音の触感や感情の置きどころに、微妙な変化を感じさせる楽曲だった。
この3曲が、ライブに新たな側面をもたらすのか。
既存曲の流れに溶け込み、物語を補強する存在になるのか。
それとも、Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」 において、これまでとは異なる表情を浮かび上がらせる起点となるのか。
今回のライブを見届けるうえで、この問いはひとつの重要な軸になっていた。
会場となった東京国際フォーラム ホールAは、天井が高く、音の反響が整った空間である。
一音一音の輪郭が明瞭に伝わる一方で、照明や映像が天井や壁面に反射し、会場全体を包み込むように広がっていく。
この日は2階席からの観覧となり、ステージ上の演奏だけでなく、光の流れや客席の反応までを俯瞰できる位置だった。
ライブ全体の構造や、曲同士のつながり方を捉えるには適した視点だったと言える。
開演を待つ客席には、次第に静かな緊張感が満ちていく。
話し声はあるものの、どこか抑えられていて、観る側もまた“物語の一部”としてその場に立っているような感覚があった。
ステージ上はまだ暗く、照明の気配だけが天井に反射している。
その光を眺めながら、Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」 が示そうとしている「その先」の輪郭を、ただ静かに待っていた。
◇ Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」|セトリ

- Choir ‘S’ Choir
- 顔
- ふたつの月 〜Deep Into The Forest〜
- 黒のバースデイ
- Symbol IV : Earth
- Mas?uerade Rhapsody Re?uest
- Imprisoned XII
- 碧い瞳の中に
- 八芒星ダンス
- 天球(そら)のMúsica
- Angles
- Symbol II : Air
- DIVINE
- ‘S/’ The Way
- KiLLKiSS
- Sophie
- Symbol I : △
◇ Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」|ライブレポート

今日のAve Mujicaも、最恐で最高だった。
MCなし、ノンストップで駆け抜けた約90分。
一切の緩急を「止まる」ことで作らず、音と演出の連なりだけで観客を飲み込んでいく構成は、Ave Mujicaというバンドの覚悟と完成度をそのまま体現していた。
メンバーはフライヤーと同じ灰色の衣装で登場。
無機質さと可憐さ、そして不穏さが同居するその装いは、今回の「Ulterius Procedere」というタイトルを視覚的にも補強しており、可愛さとカッコよさの両立が際立っていた。
1. Choir ‘S’ Choir
まさかの1曲目から「Choir ‘S’ Choir」。
カーテンに映し出されたシルエットだけでの登場は、静かなのに圧倒的にカッコいい始まりだった。
大サビの「Choir Choir, Choir Choir, ’S’ Choir」のシンガロングは、会場全体が一体となる瞬間。
最初の一音で「今日はこういう夜だ」と宣言されたようなオープニングだった。
2. 顔
2曲目に「顔」が来るとは思わなかった。
イントロから歪みの効いたベースが前に出てきて、身体の芯に響く。
サビの「Hey!」「Hate!」のコール&レスポンスは凄まじく、序盤から一気にフロアの温度を引き上げていく。
この曲をこの位置に置いた判断が、すでに攻めている。
3. ふたつの月 〜Deep Into The Forest〜
4. 黒のバースデイ
3曲目、4曲目は初期のAve Mujicaを象徴する2曲。
この並びが非常に強く、ここで一気に“ムジカの世界”へ引きずり込まれる。
幻想性と不穏さ、そして重たい感情の層が重なり、ライブというより物語の中に足を踏み入れた感覚に近い。
5. Symbol IV : Earth
筆者が大好きなSymbolシリーズがここで登場。
「Earth」はエモさと激しさを併せ持つ楽曲で、何度聴いても、そのバランス感覚に惹かれる。
重圧のあるサウンドの中に、確かな感情のうねりがあり、ライブでこそ映える1曲だと改めて感じた。
6. Mas?uerade Rhapsody Re?uest
ここでこの曲が来るとは。
「今回も冒頭はアカペラで聴かせにきたな」と思ったらそこから一気にいつものMas?ueradeへ。
原点とも言えるこの曲の破壊力は健在で、攻め攻めで、重くて、楽しい。何度聴いても最高に楽しい楽曲。
7. Imprisoned XII
この曲は、まさにここで聴かせるために配置されたと感じた。一音一音を噛み締めるように、自然と聴き入ってしまう。ライブ中盤で、感情を一度深く沈める役割を果たしていた。
8. 碧い瞳の中に
初披露曲。旋律の美しさ、そして綺麗なコーラスが印象的で、激しいAve Mujicaの中でも、一段と“綺麗さ”が際立つ楽曲だった。
この曲を生で聴けたこと自体が嬉しい。確実に、ライブに新しい色を加えていた。
9. 八芒星ダンス
クラップが特徴的なイントロはカットされていたものの、Diggy-MO’成分たっぷりのリズム感は健在。
モーティスのギター回しが来るかと思いきや、ドロリスの側転には完全に虚を突かれた。
さすがドロリス(佐々木李子)。ライブ巧者ぶりが際立つ瞬間だった。
10. 天球(そら)のMúsica
この曲が持つ激しさと優しさは本当に素晴らしい。大サビでのシンガロングは圧巻で、会場全体の一体感がはっきりと可視化される。
11. Angles
5thでは披露されなかった楽曲。だからこそ、今回聴けたことが嬉しい。
自然と聴き入ってしまう時間だった。
12. Symbol II : Air
ここから筆者のテンションぶっ壊れゾーン突入。
ジャズ調のリズム感がとにかく気持ちいい。
サビのジャンプも最高で、身体が勝手に動いてしまう感覚があった。
13. DIVINE
疾走感がたまらない1曲。サビ前のヘドバンがとにかく楽しく、フロアの熱量も一段階上がったのが分かる。
14. ‘S/’ The Way
待ってました!!!
激しさ×疾走感×Diggy-MO’節。
重圧感がありつつ、攻め続けるサウンドがとにかく激アツ。
「かっこいい」がこれでもかと詰め込まれた1曲だった。
15. KiLLKiSS
アニメ主題歌らしい圧倒的な安心感と楽しさ。
サビのジャンプが気持ちよく、
ライブの流れの中でも良いアクセントになっていた。
16. Sophie
これこれこれこれ!!!
本日のメインディッシュ。
ずっと聴くのを待ち侘びていた曲で、今のAve Mujicaの中でDiggy-MO’成分が最も濃いと感じる。
ドロリスの叫びのようなシャウトには鳥肌が止まらなかった。
この曲をこの位置に置いた構成も含めて、完全に刺さった。
17. Symbol I : △
筆者がめちゃくちゃ大好きな1曲。
ゴリゴリのイントロ、最恐で重圧なサウンドが本当にたまらない。
締めくくりにふさわしい楽曲で、
この日のライブを象徴するようなラストだった。
総括|Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」
6th、燃え尽きました。
MCなしノンストップで駆け抜けた約90分は、
Ave Mujicaの“今”と“その先”をはっきりと示すライブだった。
最恐で、最高。
この言葉以外に、今日は見当たらない。
◇ Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」|まとめ

Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」は、楽曲そのものの強度と、ライブ構成としての完成度が高い次元で噛み合った公演だった。
MCなし・ノンストップという形式はこれまでも特徴的だったが、今回はセットリストの流れそのものが、バンドの“現在地”を語っていたように感じる。
冒頭に配置された「Choir ‘S’ Choir」から、「顔」「ふたつの月 〜Deep Into The Forest〜」「黒のバースデイ」へと続く序盤は、Ave Mujicaの世界観へ一気に引き込む構成だった。
初期曲を軸にしながらも、演出や音の重なり方によって、過去の再現ではなく**“今の表現”として再提示されていた**点が印象に残る。
中盤では「Symbol IV : Earth」や「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」、「Imprisoned XII」といった楽曲が並び、重圧感と緊張感がライブ全体を支配する。
とくにSymbolシリーズは、単なる人気曲ではなく、ライブの文脈を形作る装置として機能しており、物語性を強く意識した配置だった。
その流れの中で初披露された「碧い瞳の中に」は、これまでの激しさ一辺倒ではない、新たな側面を提示する1曲だった。
旋律の美しさやコーラスの響きが際立ち、Ave Mujicaのライブに静かな余白と奥行きを加えていたのが印象的だ。
終盤にかけては「Symbol II : Air」「DIVINE」「‘S/’ The Way」と続き、リズム感や疾走感を前面に押し出した構成へ。
身体を動かす楽しさと、音に身を委ねる感覚が同時に訪れ、会場の熱量は最高潮に達する。
クライマックスで披露された「Sophie」は、この日のライブを象徴する存在だった。
現在のAve Mujicaにおける表現の濃度が凝縮されたような楽曲であり、その配置は明確に“今のムジカ”を提示していた。
そしてラストの「Symbol I : △」が、重圧と余韻を残しながら全体を締めくくる。
Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」は、
代表曲や新曲を並べるだけのライブではなく、楽曲一つひとつが役割を持ち、流れの中で意味を獲得していく公演だった。
この構成力と表現の更新こそが、今回のライブ最大の魅力だと言える。
◇ Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」|よくある質問

Q1. Ave Mujicaのライブは初参加でも楽しめますか?
はい、初参加でも十分に楽しめます。
Ave Mujicaのライブは、楽曲の世界観や演出が明確に構築されているため、事前知識がなくても会場の空気や流れに自然と引き込まれる構成になっています。初めての方でも、ライブ全体をひとつの体験として受け取れるのが特徴です。
Q2. セットリストはどんな流れでしたか?
本公演のセットリストは、ライブ全体の流れや構成を重視した組み立てが印象的でした。
単発で盛り上がる曲を並べるというよりも、曲同士のつながりや空気の変化を意識した構成で、終演後に振り返ったときに一本の流れとして記憶に残る内容になっています。
序盤で世界観に引き込み、中盤で深く沈め、終盤で一気に加速して締める流れが印象的でした。
Q3. Ave Mujicaのライブの雰囲気はどんな感じですか?
落ち着いた緊張感と没入感が共存する雰囲気です。
観客が声を上げて盛り上がる場面もありますが、全体としては音や演出に集中し、会場全体でひとつの空気を共有するような感覚が強くあります。静と動の切り替えがはっきりしているのも特徴です。
Q4. 演出や照明の特徴は?
照明や映像を含めた演出は、楽曲ごとに明確な意図を持って設計されています。
派手さを前面に出すというよりも、音の質感や感情の動きに寄り添う形で構成されており、ライブ全体の物語性を支える重要な要素として機能しています。
Q5. ライブを見る前に予習は必要ですか?
必須ではありません。
ただし、Ave Mujicaの世界観や音の方向性をあらかじめ知っておくと、ライブ中の演出や構成をより深く味わえる場面もあります。初参加の場合でも、ライブそのものを体験する中で自然と理解が進む構成になっています。
Q6. 今後の公演や情報はどこで確認できますか?
最新のライブ情報やリリース情報は、公式サイトおよび各種公式SNSで随時発信されています。
本記事の下部に公式リンクをまとめているので、あわせてチェックしてみてください。
◇ Ave Mujica 公式サイト・SNSリンク一覧
- 🎵 BanG Dream!(バンドリ!)公式サイト
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