
◇ 心が勝手に走り出す。ポルノグラフィティのライブを支えるセトリ定番曲

ライブの開演を告げる暗転。その一瞬の静けさのあと、ポルノグラフィティの音が鳴り始めると、心が勝手に前へ走り出す。どれだけ年月が経っても、このバンドは「始まる瞬間のワクワク」を更新してくれる存在だと、毎回思わされる。筆者自身、何度も彼らのライブに足を運んできたが、セットリストに並ぶ一曲一曲が“その日の物語”をつくっているのを強く感じる。
ポルノグラフィティのライブが特別なのは、ただ楽曲が強いだけじゃない。アッパー曲で会場を跳ねさせる瞬間もあれば、空気が一転して息を飲むバラードの時間もある。さらに近年は、初披露の新曲や25周年を象徴するような特別演出も多く、長年のファンも驚くほど攻めた構成を見せることが増えた。だからこそ「どの曲が定番で、何を予習しておけばもっと楽しめるのか?」という疑問は、初めて参加する人にも、久しぶりの人にも共通しているはずだ。
そこで本記事では、最近のセットリストの傾向と、筆者が現場で体感してきた空気感をもとに、**「ライブで押さえておきたい定番曲20選」**を厳選して紹介する。単に“よく演奏される曲”ではなく、ライブのどのタイミングで配置されることが多いのか、どんな演出がつくのか、観客がどう反応するのか——そこまで含めて解説していく。
たとえばタオルが空を舞う「ハネウマライダー」、声出し解禁後に爆発的な一体感が戻った「Century Lovers」、静かな会場を丸ごと包む「ギフト」や「愛が呼ぶほうへ」。近年の公演では、フェスの空気を一瞬で変える「Zombies are standing out」、意外なタイミングで流れを軽くする「幸せについて本気出して考えてみた」など、セットリスト全体のバランスを左右する楽曲も存在感を増している。
そして2025年に入ってからは、アニメ『ヒロアカ』OPとして発表された「THE REVO」や、平和のメッセージを真正面から届ける「言伝(ことづて)」といった**“今のポルノグラフィティ”を象徴する曲**も加わり、ライブの熱さも深さもさらに広がった。
この記事を読めば、
「今、ポルノグラフィティのライブで外せない曲は何か?」
「実際の会場の空気はどんなだったのか?」
その両方が掴めるはずだ。
ポルノグラフィティのライブは、予習してから参加するだけで体験がまるで変わる。曲の“来るぞ”という瞬間が分かれば、タオルを回すタイミングも、拳を上げるタイミングも、静かに聴き入るポイントも自然につかめる。
さあ、ここから20曲を一緒に辿っていこう。
次のライブで、君の心もきっと走り出す。
◇ ポルノグラフィティライブ&フェスセトリ定番曲20選|予習におすすめ

- ミュージック・アワー
- アゲハ蝶
- サウダージ
- ハネウマライダー
- THE DAY
- メリッサ
- ギフト
- 愛が呼ぶほうへ
- ネオメロドラマティック
- カメレオン・レンズ
- OLD VILLAGER
- ジレンマ
- Zombies are standing out
- Century Lovers
- Mugen
- オー!リバル
- DON’T CALL ME CRAZY
- 言伝 ―ことづて―
- THE REVO
- 幸せについて本気出して考えてみた
1. ミュージック・アワー
2023年の「暁」ツアーでこの曲が始まった瞬間、空気が一変した。
ベースの低音がフロアを押し上げ、軽快なビートに照明が跳ねる。岡野が「この番組では〜」と声を発した途端、会場が笑いと歓声に包まれた。 その一言だけで、観客の表情が一斉にほころんでいくのが見えた。
サビでは恒例の**“変な踊り”**が始まる。スクリーンに流れる矢印の映像に合わせ、メンバーが全身を使ってリズムを刻む。筆者の周囲でも、自然と体が動き出す人が多かった。前の人が手を振り上げ、横の人が笑いながらステップを踏む。音と笑いが溶け合って、会場全体が一つのリズムに変わっていく。
2000年のデビュー以来、何度もライブを彩ってきたこの曲が、今もなお進化し続けている。ファンキーで自由で、少しおどけたこの時間こそ、ポルノグラフィティというバンドの真骨頂だ。この曲を生で聴くなら、体を預けて楽しむ覚悟をしてほしい。
2. アゲハ蝶
クラシックギターの音が響いた瞬間、自然と手が動いた。
独特なリズムの手拍子が、誰の合図もなく始まる。フェスでは他のアーティスト目当ての観客が「何だこの手拍子!?」と驚いていた。
音が進むにつれリズムが膨らみ、会場の呼吸がひとつになっていく。ギターの音色が天井に広がり、フロア全体が揺れた。
中盤の“ラララ”が始まった瞬間、胸の奥が熱くなった。2023年、声出しが解禁されて初めてのアゲハ蝶。 4年ぶりに響く合唱に、昭仁の声と客席の歌が重なる。筆者も声を張り上げながら、涙が出そうになった。
美しい旋律の裏に、静かで確かな熱がある。人と人をつなぐ音楽の力を、久しぶりに体で感じた。
3. サウダージ
あの曲が始まる少し前、筆者の周囲には静かな熱があった。
誰もが次に来る曲をわかっていた。岡野がマイクを握り直した瞬間、2023年のROCK IN JAPANのステージが揺れた。イントロのギターが鳴るより早く、観客の記憶が動き出す。ポルノグラフィティ最大の代表曲。 2000年のリリースから20年以上経っても、その響きは色褪せない。
真夏の太陽の下で聴く「サウダージ」は、切なさよりも情熱的だった。
岡野の声は風に乗り、汗を光らせながら全力で歌い上げる。
筆者は腕を組んだまま、足元からリズムを感じていた。
この曲は跳ねるでも泣くでもない。ただ“聴く姿勢”で熱くなる曲だ。
ギターソロのあと、観客が一斉に息を吐き、拍手が波のように広がった。
その音の中に、ポルノグラフィティというバンドが20年間積み上げてきた信頼が詰まっていた。
4. ハネウマライダー
最初にタオルを掲げたのは、イントロが鳴る前だった。
2023年のROCK IN JAPAN。サウンドチェックでサポートメンバーが弾いた一節だけで、観客が反射的にタオルを回し始めた。 本番を前にすでにお祭りが始まっていた。
昭仁が「ハネウマライダー!」と叫ぶ。瞬間、ステージ前方からタオルの渦が広がった。赤、青、白——いろんな色が陽射しを反射し、空まで届くように回っていた。筆者も腕を伸ばしてタオルを振り回す。まるで音に振り回されているみたいだった。
雨でタオルが重くなっても誰も止めない。ジャンプのたびに水しぶきが上がり、観客が一つの波になる。前回ツアーでこの曲を聴けなかった反動か、誰もが限界まで声を張り上げていた。
「ハネウマライダー」は理屈じゃない。 体が勝手に跳ねる。音と歓声と色が混ざり合って、ただ笑うしかない。
5. THE DAY
1番の終わりで、空気が一瞬止まった。
「THE DAY… HAS COME!!!」
その叫びと同時に、アコースティックの音が一気にバンドサウンドへ切り替わる。
2024年9月、横浜スタジアム。
筆者の視界が白い光に包まれ、耳の奥まで低音が突き抜けた。
静から動へ——その切り替わりの瞬間に、何万人もの歓声が重なった。
この曲は『僕のヒーローアカデミア』の主題歌として知られている。
ヒーローの“覚醒”を思わせるその展開は、ライブでも同じ構造で再現されていた。
拳を突き上げる観客の動きがステージの光と重なり、サビの**“The day has come!”**でスタジアムが一斉に跳ねる。
筆者も声にならない声を上げていた。
照明が明転し、炎が上がる。ドラムの連打に呼吸を合わせるだけで精一杯だった。
この瞬間、ポルノグラフィティはただのバンドじゃなく“物語を動かす存在”になっていた。
6. メリッサ
ドラムが刻まれた瞬間、筆者の近くで小さな歓声が上がった。“メリッサだ”という空気が、一瞬で伝わる。
拳が上がり、前方から熱が押し寄せてくる。イントロだけで体が浮くような感覚があった。
岡野がステージを走り抜け、客席を煽る。その動きに合わせて観客が波のように揺れた。サビのコーラスが久しぶりに原曲通りで響くと、初見の観客まで声を上げて拳を突き上げていた。
フェスで、こんなふうに“巻き込まれる曲”は多くない。
終盤のロングトーン。「胸を貫け──…」
伸びる声が空に向かって真っ直ぐ伸び、そのあと返ってきた歓声には、熱さと敬意が混ざっていた。
筆者は手を下ろすタイミングを失い、呼吸だけが速くなっていた。
ライブで聴く「メリッサ」は、ただ盛り上がる曲じゃない。音に押し上げられて笑ってしまうくらい、多幸感が残る。
7. ギフト
最初のアルペジオが鳴ったとき、空気が一段落ち着いた。
声の置き方が丁寧で、言葉がまっすぐ届いてくる。
筆者の隣の人は、歌詞をそっと口の中でなぞっていた。みんなが“この曲に向き合ってる”空気がはっきり伝わる。
サビの“届けたい想いがある”の部分で、筆者は無意識に深く息を吸っていた。
気持ちが上がるというより、整う感じに近い。曲が終わると、歓声より先に拍手が広がった。
大きくないのに、やけに温度のある拍手だった。
フェスでもここまで静かに人を掴む曲ってなかなかない。「ギフト」は、そう思わせる瞬間をちゃんと作る曲だった。
8. 愛が呼ぶほうへ
ステージの奥に置かれたスモークが、ゆっくりと照明を反射して揺れていた。
その光の向こうで岡野が立ち位置を変えた瞬間、
筆者は「あ、この曲だ」と直感した。音が鳴る前に、会場の雰囲気が先に切り替わる。
大サビに入った瞬間、後方から少しだけ声が上がる。
叫びじゃない。言葉にもなっていない、“どうしようもなく溢れた音”みたいなもの。
筆者もそのタイミングで息を吸い直していた。
歌が届くというより、自分の中の何かが引き出される感じに近い。
最後の一節が消えたあと、会場がまったく動かない数秒があった。
そのあと拍手が一気に広がった瞬間、スタンドの空気が温かく揺れた。
あの拍手の始まり方が、この曲の力のすべてだった。
9. ネオメロドラマティック
横浜スタジアムの序盤。電子音が鳴る前から、筆者の足が勝手にリズムを探していた。
ピッ、と鋭いシンセ。
照明が一気に白く跳ね、ストロボが細かく点滅する。
視界が途切れ途切れになる中、新藤のギターが鋭い音を放ち、チョーキングが決まるたび客席から短いどよめきが上がった。
イントロの段階で、周囲はすでに跳ねていた。
電子ビートに合わせて手拍子が揃い、初見っぽい観客も自然に体を揺らしていた。
この曲は構える前に体が動く。そんな“反射”が起きる。
サビでは声出し解禁の勢いもあって、リズムに合わせて軽く歌う人が増えていく。
無理に声を張るんじゃなく、ビートに押されて声が漏れるような感覚だった。
終盤の電子音が渦のように広がると、客席全体が前後左右に揺れ始める。
ステージを見るというより、曲そのものに体を預けてしまう時間。
気づけば踊らされていた。
それが「ネオメロドラマティック」の強さだった。
10. カメレオン・レンズ
ステージの奥に流れるスモークが、照明を受けて深い青に揺れていた。
筆者はその色の変化を眺めているだけで、次の曲が“空気で分かる”タイプのものだと察した。
音が鳴る。鋭さよりも、湿ったような響き。
新藤のアコギ(※通常アコギで表現)から落ちるアルペジオが、ゆっくりと会場の温度を下げていく。
リズム隊は音数が少なくて、その“間”が逆に不安になるほど心地よい。
観客は誰も動かない。
身じろぎもしないというより、“動けない” に近い静けさだった。
肩をわずかに揺らす人がいて、その揺れだけがリズムの存在を教えてくれる。
サビ前の一瞬の暗転では、筆者自身も呼吸を止めていた。
曲が終わった瞬間、静寂が切れたように拍手が広がる。
ステージの余韻がまだ残っていてギターソロの粘りが耳の奥に張りついて離れない。
“渋い曲が一番ライブで化ける”って、こういうことだと思った。
11. OLD VILLAGER
武道館の空気が突然ざわついた。
照明が一段落ちたあと、スクリーンいっぱいに文字が走り出す。
曲が始まる前に、情報だけが先に襲ってくる。
音はその一拍あと。ギターの一撃で胸が揺れて、ドラムが入った瞬間には武道館の床が震えた。
“攻撃的”という言葉よりもっと荒々しい、真正面から叩かれるような感覚だった。
スクリーンには歌詞が滝のように流れ続け、視界と耳が同時に追い込まれていく。
岡野が一瞬言葉を噛んだ場面さえ、その勢いの渦の中では“ライブならでは”の熱に変わっていた。
初披露にもかかわらず、観客は迷わず拳を突き上げていた。
サビで音が一気に広がったとき、武道館の空気圧が変わったのが肌でわかった。
筆者も思わず前のめりになっていて、身体が曲に押し出される感覚があった。
曲が終わったあと、ほんの一瞬だけ静寂。
その後にぶつかってきた歓声の大きさで、“新しいポルノグラフィティが生まれた” と思った。
12. ジレンマ
アンコールの空気がひと呼吸だけ静まって、その隙間にあのイントロが滑り込んでくる。“帰る前にもう一段、上へ行くぞ”という合図みたいで、筆者はいつもここで背中を押される。近年のステージでは、間奏のメンバー紹介がひとつの見どころになっていて、スクリーンに名前が映るたびに客席の熱がふっと上がる。武道館で観たときは、サポート陣のソロに往年のフレーズが織り込まれて、会場の空気がざわついた。懐かしさよりも“今のポルノがこれを鳴らす意味”がすっと腑に落ちて、胸の奥が温かくなる。
終盤、「自信持ってけ!」に向かう加速と一緒に拳が自然と上がる。あの日は岡野さんが思わず言葉を重ねて、客席から大きな歓声が返った。あの一瞬だけは、ステージと客席の境界が曖昧になったように感じた。曲が終わる頃には息が荒くなっているのに、不思議と疲れはなかった。最後を「ジレンマ」で締めくくる夜は、走り切った後のような爽快感が残る。
13. Zombies are standing out
岡野の「生きる屍になる準備はできてるか?」この一言が落ちると、観客のざわめきが一段深く沈む。
次の瞬間、炎の柱が ドン と跳ね上がり、熱気が真正面から押しつけられた。
イントロの重低音が鳴ったとき、胸の奥を叩かれるような振動が走る。赤とオレンジの照明が乱反射して、
ステージ全体が“荒れた心臓”みたいに脈打っていた。ギターの刻みは鋭く、ドラムの一発ごとに火が反応するように揺れる。
サビに入るころには、スタジアムの前後で揺れ方が揃いはじめ、筆者の視界も炎の熱で滲んでいく。
曲が終わったあと、耳の奥に残った轟音と熱だけがしばらく消えなかった。
“ライブでこそ本物になる曲”とは、こういうことだと痛感した。
14. Century Lovers
開演のファンファーレが鳴り、そのあとに続いた木管のリフで空気が一気に跳ねる。
光が爆発するようにステージが明るくなり、銀のテープが横一列に放たれた。
その瞬間、客席の温度が急に上がったのがわかる。
メンバーが姿を見せると、手拍子のリズムが自然とそろい、筆者の口も勝手に動き出していた。
「フッ…フー!」
声を張るというより、反射的に出てしまう。周囲から同じタイミングの声が返ってきて、アリーナ全体が一つの呼吸で跳ねているようだった。
曲が進むにつれて、ジャンプの高さも、手の振り方も、どこかで見たことがあるようで、でも毎回新しい。
サビでは前後の列が同じリズムで揺れ、筆者も気づけば踊るように体を動かしていた。
最後まで“楽しい”が止まらないまま駆け抜けて、曲が終わったあとの拍手すら軽やかだった。
ライブの幕が開く瞬間に置かれる意味がよくわかる、そんな始まり方だった。
15. Mugen
ギターが走り始めた途端、空気が前に押し出されるように動く。低音が床を伝って脚にまとわりつき、呼吸より先に腕が上がった。考えるより早く、体が反応していた。
バンドサウンドは原曲より太くて、ホーンの抜ける感じが、ライブでは逆に“押し寄せる力”に変わる。照明が細かく明滅し、メンバーが左右に走るたびに視界がちぎれる。そのスピードに、観客の動きも自然とつられていく。
サビではジャンプの軌道がそろい、腕が降りる瞬間が一度もこないまま突っ走る。音が速くなるわけじゃないのに、体が軽くなる不思議な瞬間が何度もあった。
終わったあと、筆者の耳にはまだ低音の余韻が残っていた。疲れよりも“解放”のほうが先に来る曲だった。
16. オー!リバル
最初の手拍子は、考える前に体が反応したものだ。Aメロの細かいクラップも、周りの手の動きが視界に入るだけで自然にそろっていく。
アコーディオンの柔らかい音色が重なると、炎天下でも夕暮れでも、会場の色がじわっと温度を帯びるのがわかる。
サビに入ると、“オレオレーオ”の掛け声が四方から押し寄せてきて、筆者もその波に飲まれるように声が出た。
叫ぶというより、メロディに引っ張られて声がこぼれる感じに近い。
終盤、リズムが一段強く跳ねると、観客の足元がそろい始め、ステージとの距離が一気に縮まるように思えた。
この曲がオープニングに置かれる理由が、体でわかる瞬間だった。最後のクラップまで、手が一度も下りなかった。
17. DON’T CALL ME CRAZY
2025年のライジングサンでこのイントロが落ちてきたとき、観客の反応は“歓声”というより“叫び”。ずっと封印されていたレア曲が突然解放されたようで、前方のブロックが一気に跳ねた。
筆者の隣でも誰かが息を呑む音が聞こえた。音が重くなるたび、長年待っていた人たちの体温が一段ずつ上がっていくのがわかる。
自由に揺れていい空気が広がっていて、整った一体感じゃなく、“各々の熱がぶつかる”タイプの盛り上がりだった。
ラストのシャウトに合わせて、客席から自然に叫び返す声がいくつも飛ぶ。曲が止まったあと、体のどこかがまだ騒いでいるような感覚だけが残った。レア曲が突然落ちてくるライブは、こんなにも景色が変わるんだと思った。
18. 言伝 ―ことづて―
夕方の空が暗さを増していくころ、ステージの照明がゆっくり落ち始めた。その変化だけで、筆者は次の曲が賑やかさとは別の温度”を持っていると悟った。
岡野が静かに前に出て、広島で生まれたこと、80年という時間、二度と繰り返してはいけない思い——
言葉を選びながら語る声に、会場のざわめきがすっと消えていく。フェスの喧噪がどこか遠くに追いやられ、その場にいた全員が同じ方向を向いた。
曲が始まったとき、バックモニターには大きな文字が映し出され、筆者は歌声より先にその“重さ”に息を飲んだ。風の音さえ聞こえそうな静けさの中、観客の誰もが姿勢を崩さずに立っていた。
明るい照明も派手な演出もないのに、ステージ全体が強い意志を帯びて見えた。
曲が終わると、ほんの短い静寂があって、そのあとで大きな拍手が波のように広がった。派手さではなく“伝える意志”が中心にある曲は、ライブの空気すら変えてしまうのだと感じた。
19. THE REVO
初めて聴くイントロが落ちてきて、フェスの空気がざわざわと波打つ。歓声ではなく“どよめき”が先に広がったのが印象的だった。新曲だと確信した瞬間、自分でも驚くくらい体が前に出ていた。
サプライズで音を浴びる体験は、こういうときに一番鮮明になる。
テンポの速いビートが走り始めると、観客の腕が自然と上がり、声にならない声があちこちから漏れる。
誰も歌詞を知らないのに、サビで一瞬テンションが跳ね上がるあの感覚は不思議で、筆者も呼吸が乱れるほどだった。
初披露の場では手拍子が中心だったが、曲そのものが“合唱を誘う曲”なのがよくわかった。
拳を突き上げたくなる場面が何度も訪れて、何度か声を出しそうになるのをこらえた。
曲が終わったあと、フェスの空気がふわっと明るくなった気がした。
新曲の誕生をその場で目撃した実感が、しばらく消えなかった。
20. 幸せについて本気出して考えてみた
ギターの柔らかいストロークが広がると、風が通るみたいに会場が落ち着いた色になる。
メンバーの表情も自然とほぐれて、ステージの“温度”が穏やかになるのがわかった。
ロッキンで聴いたとき、筆者は無意識に肩の力が抜けていた。
さっきまで張りつめていた気持ちが、曲の明るさでほどけていくのが心地よかった。
間奏に入ると、客席のあちこちから 「アイッ!アイッ!」 が弾ける。
拳が一斉に上がり、その瞬間だけは誰も迷わず声を出す。
アップテンポではないのに、体の反応が揃う不思議な一体感があった。
サビでは手拍子が軽く広がり、揺れるように体を動かす人、じっと音を浴びる人、どの楽しみ方も自然に共存していた。曲の明るさに、観客それぞれの“今の幸せ”が乗っていくような時間だった。
◇ まとめ|ポルノグラフィティのライブはセトリ定番曲からもっと色鮮やかになる

ポルノグラフィティのライブは、ただ曲を並べたセットリストではない。
20曲それぞれが違う表情を持ち、序盤の勢い、中盤の深さ、終盤の昂り——すべてが一夜を形づくるパーツになっている。この記事で紹介した定番曲を改めて振り返ると、彼らのライブが「熱狂」と「静寂」を自在に行き来する理由がよく分かるはずだ。
タオルが一斉に舞う曲があれば、拳が自然に上がる攻めのロックがあり、逆にひとつの言葉に会場が飲み込まれるバラードもある。筆者がこれまで現地で体験してきた空気感を思い返すと、どの曲にも“ライブでしか味わえない瞬間”が確かに存在していた。まるでステージ上の光と音に導かれるように、会場全体がひとつの大きな生命体みたいに動き始める。ポルノのライブの面白さは、まさにその“変化の連続”にある。
そして2024〜2025年は、その多彩さにさらに磨きがかかった期間だった。
声出しが完全に戻ったことで、オーディエンスのリアクションは一段と力強くなったし、「THE REVO」「言伝(ことづて)」といった新しい色の曲がセットに加わったことで、ライブ全体の表情がさらに豊かになった。長年の定番曲と新曲が同じステージに並んだとき、バンドの“今”と“これまで”が自然に繋がっていく。これは25年以上ライブを続けてきたポルノグラフィティだからこそできる景色だと思う。
もしこれからライブに行くなら、今回紹介した20曲は絶対に押さえておくといい。曲の“来る気配”がわかれば、クラップのタイミングも、コールの入り方も、静かに目を閉じたくなるパートも、自然に体に馴染んでくる。初めてライブに行く人はもちろん、何度も通っている人でも、予習していくと「あ、ここでこれが来た!」という嬉しい瞬間が何倍にも膨らむはずだ。
ライブが始まる瞬間の暗転。
心臓が一回大きく鳴って、ステージが光に包まれ、最初の一音が放たれる。
その直前の空気を思い浮かべるだけで、また会いたくなる。
ポルノグラフィティのライブは、そんな衝動をずっと更新し続けてくれる。
さあ、次にあなたがその場に立つとき、今日ここで読んだ20曲がきっと背中を押してくれるはずだ。
またあの光の中で、一緒に歌おう。
◇ よくある質問(FAQ)|ポルノグラフィティ ライブ&フェスの定番曲20選

Q1.初めてポルノグラフィティのライブに行くなら、どの曲を予習すべき?
A:この記事で紹介した20曲を押さえておけば、ライブの7〜8割は迷わず楽しめます。特に**「Century Lovers」「ハネウマライダー」「メリッサ」**は、参加型パート(手拍子・クラップ・タオル回し)がしっかりあるので覚えておくと体が自然に動きます。筆者も初めてフェスで観たとき、この3曲だけ知っていたおかげで周りの熱気に入り込めました。
Q2.ポルノグラフィティのライブは激しい? 落ち着いて聴ける曲もある?
A:どちらもあります。序盤はアッパー曲が多く、ジャンプやクラップで体力を持っていかれますが、中盤には**「ギフト」「愛が呼ぶほうへ」**のように静かに聴き入る曲がくることが多いです。緩急がはっきりしているので、ずっと激しいというより“波に乗るライブ”というイメージに近いです。
Q3.声出し・コールは今はもうできる? 初心者でもついていけますか?
A:2023年以降は声出し完全解禁なので、コールもシンガロングも自由に楽しめます。
「Century Lovers」の“Fu-Fuコール”、“ハネウマ”のタオル回し、“Mugen”の掛け声など、参加型曲はわかりやすいので初参加でも問題なし。筆者も初参戦の友人を連れて行ったとき、終盤には普通に一緒に叫んでました。
Q4.フェスでポルノを見る時、どの曲が特に盛り上がる?
A:フェスだと**「メリッサ」「Mugen」「アゲハ蝶」「Century Lovers」**はほぼ鉄板で盛り上がります。特に「メリッサ」は初見の人でも拳が自然に上がるほど。実際ロッキンでは、隣で別バンド目当ての人が「この曲マジで気持ちいいな」と声を上げていたほどです。
Q5.最近のライブで変化しているポイントは?
A:2024〜2025年は、新曲がセットリストの中で強い存在感を持っています。
- 「THE REVO」:ヒロアカ最終章OPとして初披露され大反響
- 「言伝」:平和メッセージ性の強い曲で、フェスでの披露は特別感が大きい
また、声出し解禁後はクラップ・コールの揃い方が尋常じゃないです。筆者も各地のライブで「ここまで揃うのか…?」と驚かされました。
Q6.ポルノグラフィティのライブに持っていくべき持ち物は?
A:最低限でいいなら、
- フェイスタオル(※ハネウマで必須級)
- 飲み物
- モバイルバッテリー
- 動きやすい靴
があればOK。フェスの場合は熱中症対策として帽子と予備の飲料も必須です。タオルはグッズでも市販品でも問題ありません。
Q7.セットリストは公演ごとに大きく変わる?
A:ツアー中は大枠が固定されることが多いですが、フェスや周年公演ではガラッと変わります。2024〜2025年の流れでいうと、アッパー曲中心の強めセットが主流。とはいえ中盤のバラードブロックは毎公演異なることがあるので、どの曲がくるかは毎回楽しみのひとつです。
◇ ポルノグラフィティ 公式サイト・SNS

- Official Site(公式サイト)
https://www.pornograffitti.jp/ - YouTube(公式チャンネル)
https://www.youtube.com/@PORNOGRAFFITTI_Official - X(旧Twitter)
https://x.com/pg_koushiki - Instagram
https://www.instagram.com/pg_staff/

